クエルボ イ ソブリノス ツール ド エスパーニャ / CUERUVO Y SOBRINOS TOUR DE ESPANA

お預かりした時計は、CUERVO Y SOBRINOS (クエルボ・イ・ソブリノス）ツール・ド・エスパーニャ 2007 レーサーモデルです。ツール・ド・エスパーニャ（2007年10月開催）は、南ヨーロッパを舞台としたクラッシックカーレースで、そのレース参戦者に贈られたモデルが好評を博したため、世界限定200本のうち、70本が特別に限定発売されたとあります。つまり2008年に限定発売された時計で、ラリーイベントの中に組み込まれたサーキットが文字板にデザインされていて、車好きには心そそるモデルですね。
この時計に使用されているムーブメントはスイス ETA社のCal. 2824-2で、機械式自動巻ムーブメントの中では最もポピュラーで、世界の多くの有名ブランドで使われているものです。28800振動のハイビートで精度、耐久性に優れています。
「クエルボ・イ・ソブリノス」は キューバのハバナで誕生し、ラテンスピリットとスイスの時計技術が融合して完成した時計を送り出しています。ハバナが栄華を極めていた古きよき時代1882年、La Casa（ラ･カーサ）という小さな貴金属店として創業後、創業者ラモン・イ・クエルボをその甥であるアルマンド・リオ・イ・クエルボを含む兄弟達が経営を手伝うことになり、店名を“クエルボとその甥達”という意味である「クエルボ･イ･ソブリノス」に変更したことに由来します。CUERVO Y SOBRINOS「スイスのハートにキューバのスピリット」そんなフレーズで表現されています。
この時計は10年ほど前に購入されたものとのことですが、時計精度、またケースをはじめとした外装もとても良い状態でした。ただ長期間メンテナンスがされていなかったためか、オーバーホールを行い確認したところ、アンクルの爪石に鉄粉が付着していて油切れの兆候が顕著でした。
また裏ブタがネジ止めで固定されるタイプだったのですが、ネジとその周辺にサビが少し発生していました。幸いサビは軽度であったためサビ取りの処理を行いできる限り除去しましたが、裏ブタネジ止めのタイプでは、ネジがサビてフタが開かないといった状態のものが数多く見かけます。そうなるとネジをドリルで壊して除去、また穴の開け直しなど大変な処置が必要になりますので、定期的なクリーニングを行いそのようなトラブルを避けることをお勧めします。
また何か不具合等あるようでしたら何なりとご連絡ください。
ありがとうございました。