オーバーホール

オメガ スピードマスター デイト/ OMEGA SPEEDMASTER DATE

今回お預かりした時計はオメガ スピードマスター デイト、Ref. 323.30.40.06.001です。Speedmaster(スピードマスター)と言えば、まず「Moonwatch(ムーンウォッチ/プロフェッショナル手巻きクロノグラフ)」がよく知られていますが、それ以外にも、自動巻ムーブメントを搭載した「Speedmaster Automatic」「Speedmaster Date / Day-Date」などのバリエーションがあります。この323系はムーンウォッチのイメージを継承しながらより実用性を重視したモデルという位置づけです。
このモデルで使われている キャリバー 3304 は自動巻クロノグラフムーブメントで、ETA社 7750 系列をベースとして設計されています。カレンダー早送りを10時方向のプッシュボタンで操作するETA7753がベースとなっています。
ETA社はスイスの最大のムーブメント供給メーカーで、現在ではオメガと同様にスウォッチグループの傘下となっています。スイスをはじめとした機械式時計の大半がこのETA社のムーブメントを採用、あるいはベースとして設計されていると言っても過言ではありません。
メンテナンスをしたスピードマスターは4〜5年前に購入されたとのことでしたが、時計は中々良い状態でした。オーバーホールを行いましたが、アンクルの爪石の側面に鉄紛の付着が見られました。爪石、ガンギ車の油が少し減っていたのかもしれません。それ以外は特に問題はなく、オーバーホール後の状態としてはとても良いです。
そして、ベルトの中留クラスプ部のバネが破損して、ベルトの固定ができない状態でしたので、修理を行いました。折れた中留バネの交換で修理対応が可能と思っていましたが、バネのカバー板を固定するピンが外れないという問題が出ました。このタイプのもので、以前のものはピンを抜くことができたのですが、今回のものは仕様が変わっており、中留一式交換をする必要があると分かりました。ただ一式交換は費用がかなりかかってしまうため、ご相談させていただき、ピンを切断除去してカバーを外すことをトライしました。ピンの切断によってカバーは外せましたが、切断したピンをがクラスプに残り、それをドリルで粉砕して除去することとなりました。かなり時間を要しましたが何とかピンを除去し、除去したピンの代わりにバネ棒を用いてカバーの固定をするようにしました。仮に今度バネが破損しても、交換は簡単に対応できます。
防水試験も、10 気圧防水の機能が維持されていることを確認しました。
これでメンテナンスは完了しましたので、どんどん普段使いをしていただきたいと思います。
また何か不具合等あるようでしたら、何なりとご連絡ください。
ありがとうございました。

お預かり品
メーカー/ Maker オメガ/ OMEGA
時計/ Watch Name スピードマスター デイト/ SPEEDMASTER DATE
形式/ Model323.30.40.06.001
ムーブメント/ Movement オメガ 3304/ OMEGA 3304 (ETA 7753 base)
動力/ Power自動巻 / Automatic
タイプ/ Type6針  / 6 Hands
メンテナンス内容
オーバーホール/ Overhaul¥38,500-
部品交換:中留バネ/ Parts: Clasp spring¥1,100-
部品:バネ棒(クラスプ用)/ Parts: Spring pin (For clasp)¥220-
中留バネ交換作業/ Clasp spring replacement work¥3,300-
合計(税込)¥43,120-

 

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